頭金ってどんなもの…

お役立ちコラム

マイホームを購入するとき、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。

借入総額を減らし月々の返済額を抑えるため、または金利の負担を軽くするために自己資金である現金で支払う部分が『頭金』ですが、近年では頭金ゼロでフルローンを組んでマイホームを購入する方が増えています。

頭金は支払った方が良いと言われている一方で、低金利だから頭金なしでも良いという意見もあり、実際はどうすればいいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

頭金とはどのようなものなのか

例えば、3,000万円のマンションを購入したければ当然3,000万円を用意しなければなりません。しかし、3,000万円全額を金融機関から借りるのではなく2,800万円に抑えることができれば、月々のローンの負担を軽くすることができます。

この場合、差額の200万円を用意して先払いすることで、予定通りローンの総額を2,800万円に抑えることができるでしょう。

この先払いした200万円が『頭金』になります。

つまり、頭金の額が増えれば増えるほど住宅ローンの借入総額が減りますし、借入総額が減れば月々の支払額はもちろんのこと、返済に必要な利息が減ることになります。

同じ金額で物件を購入した場合でも、頭金の額次第で支払い総額が大きく変化するのです。

ローン審査への影響

頭金を用意することで、金融機関の住宅ローン審査の際に有利になると言われています。

頭金が用意できるということは、計画的に貯蓄ができるという印象が与えられ、安定して返済することが可能であると判断される可能性が高いからです。

ただし、近年では住宅ローンの金利がこれ以上下げることが難しいほどの低金利であるため、頭金の有無ではなく無理のない返済負担であれば審査に大きな影響を与えないという意見もあります。

金利への影響

頭金の額によって、金利が変わることがあります。

例えば、住宅金融支援機構のフラット35では、融資率(物件価格のうちの借入額の割合)が9割以下であるか、9割超かで金利が変わります。

低金利であるためいづれもそれほど大きな差と言えないかもしれませんが、長い目で見ると支払総額は確実に増えてくるのも事実です。

毎月返済額への影響

頭金を支払うことによってローンの借入額を減らすことができるのは上述した通りです。借入額が少なくなる分だけ利息も減りますので、マイホーム購入後にスタートする月々の住宅ローンの支払いを軽くすることができるのです。

単純に考えても、3,000万円を借りた場合と、頭金200万円を用意し2,800万円借りた場合、同じ年数をかけて返済するのであれば、当然借りる額が少ない方が月々の返済は減ります。額によっては、より短い期間で完済することも不可能ではありません。

頭金200万円分にかかる利息の差もありますので、頭金を支払った方が先のハードルが低くなりやすいと言えます。

頭金に関する注意点

では逆に、貯金があるならばそのすべてを頭金として支払ってしまった方が良いのでしょうか?

結論から言ってしまえば、その答えはNOとなります。

確かに金利を下げる効果はありますし、後のローンの支払いを考えると楽になるように見えるかもしれません。

しかし、マイホーム購入後に必要となるものは住宅ローンの支払いだけではありません。お子さんがいらっしゃる方は子供の教育費なども必要になるでしょう。

貯金全額を頭金にすることはせず、生活費を可能であれば1年分、最低でも半年分は予備費として残しておきたいところです。

頭金がなくても購入するという選択肢も

以前は、「融資可能額は物件価格の8割まで」という金融機関がほとんどであったため、2割の頭金がないとマイホームの夢は実現できませんでした。しかし、時代は変わり、今では多くの金融機関で頭金なしで全額借入可能になっています。

確かに、頭金を支払った方が有利な条件で住宅ローンが組めたり、支払総額を減らせたりとメリットは多いですが、超低金利の今、頭金がないからマイホーム購入は諦めようと考えてしまうのは逆にもったいないのかもしれません。

もちろん、マイホームは非常に高い買い物ですから慎重になることは大切です。しかし、現時点で賃貸住宅にお住まいであれば、頭金を貯めるまでに時間と家賃というコストもかかってしまうことを忘れてはいけません。

頭金がないからと言ってマイホームの購入を先送りするのではなく、しっかりと返済計画を立てて無理がないと判断したのであれば、そのタイミングでマイホームを購入するという選択肢もあるのではないでしょうか。